自宅で本格サーバ導入・運用してみたい人向けの機器選定~はじめの一歩

【前置き】
Cloudの時代に自宅でサーバ運用なんて・・・
そう思われる方の方が大半だと思います。

それでも自宅にデスクトップPC等をサーバとして運用するのではなく、
実際にラックマウントサーバやタワーサーバ等、企業製品を導入・運用して見たいとは思いつつ・・・
  1. お値段(イニシャルコスト)
  2. どのベンダーのサーバが良いのか
  3. どれぐらいのスペックが必要なのか
  4. 入手方法(調達)

等が分からず、躊躇してしまっている方に手前味噌ではありますが、
私なりのある程度の感想をお伝えし、何らかの指標にして頂ければ幸いです。

【本題】
では実際、自宅にサーバを導入する際の機種選定や
その周辺情報について触れていきたいと思います。

※主旨としては初めてサーバを導入する際の最初の一台を想定して記載しております。
また、基本的にはベンダサポート無しの自己責任。
ある程度転んでも泣かない精神(金額/時間/学習労力的コスト等)をお持ちの方。
実際には機種選定後、導入に際してキッティングも必要です。

1.お値段(イニシャルコスト)
実際サーバを導入しようとしても企業製品のサーバを
新品で個人が簡単に購入出来る値段ではありません。
特に試しに買ってみようと言うレベルだと
必然的に2世代3世代遅れのベンダーライセンスやサポート切れの中古サーバがターゲット
になります。
上記理由からイニシャルコスト=「中古サーバの価格」+「最低限求めているスペックのパーツ代」になります。
「中古サーバの価格」については私の場合、大体相場として2万~5万程度に収る事が多いです。
意外に価格が安い理由は、ヤフオク等でジャンク品に近い状態のサーバを狙っているからです。
初めての場合、最低限動作確認が取れている(BIOS/EFUIの起動確認レベル)のサーバを入手する事を強くお勧めします。
そうなるとあくまで私の個人的な目安としては大体相場として4万~10万程度になります。

「中古サーバ=サーバ筐体+最低限動作に必要な付属パーツ」
となります。
具体的には
サーバ筐体の構成内容的には最低限、筐体 / 電源x2 / マザーボード /
シートシンク(ザックリと表現するとCPUクーラー)x2と言った構成です。
※サーバは大抵の場合CPUが2基あります。なのでヒートシンクx2になります。
最低限動作確認用にオマケとしてCPUやメモリもついては来ますが、
本当にオマケ程度のパーツが大半です。
「最低限求めているスペックのパーツ代」によりイニシャルコストの振れ幅が大きくなるので
具体的にザックリこの程度の価格とはいえません。
パーツ代の代表的な具体例を挙げると
CPU
メモリ(EccRegistered)
ディスク(2.5 or 3.5インチ)
ディスクマウンタ
SASケーブル
等があります。

後々の事を考え、スペックは必要に応じて何処まで拡張出来るか、事前に調べる事が重要です。
主にメモリスロット数やPCIeスロット数(x4~x16)並びにリビジョンGen3~5等。

因みにPC3(DDR3)のEccRegisteredメモリ、一枚あたり16GBのモジュールはPC3規格で動作する殆どのサーバに搭載できます。
メモリも中古品ですが、現在の時価で言うとヤフオクでザックリ16GBx2モジュールで7000~10000円程度ですね。

2.どのベンダーのサーバが良いのか
用途・目的によって変わってくるので一概には言えませんが、最初の一台はDELL製品をお勧めします。
【DELLをお勧めする理由】
■理由01
DELL製品は日本・海外問わず中古市場で最も多く、パーツ単位での流通量も多い。
入手性が高いほど保守パーツやスペック拡張を行いやすい。
更に流通量が多いが故、ナレッジが豊富。
サーバを導入・運用しようとすると通常のPCとは勝手が違い最初は躓くことが多いと思います。
更にサーバ製品の詳細な情報(バーツ単位での型番や購入したサーバに適合するしない、
またはIPMIや各種ファームウェアの情報等)等、深掘りしていけばしていく程、
ネット上で検索してもあまり公開されていない、もしくは個人では判断がつかない事が多い為。
トラブル解決も含めて情報が多いベンダーのサーバを選択しておくと
保守運用の観点からパーツ故障や拡張時に入手し易い等、後々の困りごとが少ないです。
※ 富士通やNEC、IBM、日立製品もありますが、やはり流通量が少ないので
  1台目としては避けた方が無難です。

■理由02
ベンダーロックが少ない
HP製品はパーツ単位も含め中古市場ではDELLと同等程度の流通量がありますが
HP認定パーツ(HDD、メモリ、CPU等)でないと動作しない(もしくは動作してもサーバ内の各種センサーから温度情報等が読み取れない[読み取らない])事が多いので
一例として常にファンがフル回転の爆音状態になる等があります。
一時期上記爆音サーバを稼働させていた時期がありました。家の外でも聞こえる音量です・・・
メモリもエラー判定の閾値が高く設定されており、他のメーカーで動作するメモリであっても起動エラーを起こします。
特に中古市場から調達したメモリはCorrectable ECC Error頻発品が流通している事もあるので注意が必要です。
「Correctable ECC Error」と「Uncorrectable ECC Error」は別物です。詳しくはネットで検索してみて下さい。
上記以外でもHPは思わぬところで中古サーバとしては動作させる為に困難なサーバです。
ベンダーロック解除ノウハウがない場合には避けた方が無難です。
具体的なベンダーロック解除例は、またの機会に。

3.どれぐらいのスペックが必要なのか
これは「お値段(イニシャルコスト)」でも少し触れましたが
求めるスペックは人それぞれなので一様に言えません。
何らかの仮想化は行った上で運用されると思うので、
ここではVMware製品との相性問題の観点から書かせて頂きます。
私の一つの指標としてvSphere製品(特にESXiの最新Ver)に対応
しているかどうかになります。
その見分け方とは・・・CPUです。
購入サーバに搭載できるCPUがESXiの最新Verと互換性があるか、
VMwareサイトの互換性リストで確認して見ましょう。
詳細は「VMware Compatibility Guide」で調べて見て下さい。

また重複になりますが、後付けで何処までスペック拡張出来るかを
事前に調査する事が重要です。

4.入手方法
基本ヤフオクがメインになってきます。
しかし、ebayやAliExpressの方が
安価だったりそもそもヤフオク規模では入手出来ないパーツが
潤沢にある場合も多いのでケースバイケースです。

サーバ筐体単位なら送料等を鑑みてヤフオク一択でしょうか。

さてさて、じゃぁ結局おすすめの具体的なサーバ機種は何?
となりがちなので、あくまで一例としてご紹介したいと思います。
ラックマウントサーバ:DELL PowerEdge R720xd


タワーサーバ:DELL PowerEdge T420 / T620

T420

T620

上記を取りあえず買っておけば無難でしょう。
価格的にも4万~10万程度で入手できます。

因みにサーバとしては変則的な使用方法ですがビデオカードを搭載したい場合、
やはり空間が多いタワーサーバに部があります。
メモリを大量搭載したい場合、ラックマウントサーバの方がメモリスロットが多い傾向があります。

余談ですが、上記例で上げた3つの内DELL PowerEdge T420が最もメモリスロットが
少ないのですがDELL公式仕様上、最大384GB(LRDIMM[ただのEccRegisteredメモリではないです気をつけて])搭載する事が可能、
非公式ではありますが最大768GB搭載可能(との事、ネット調べ)

また機会がありましたら、サーバ製品ならではのRDMA関連周辺規格等 もう少し深掘りした内容をご紹介したいと思います。

About the author

Gri

飯もジャンク、サーバもジャンク、人生もジャンクと三拍子揃ったジャンク好き。
最近はストレージ関係に力を入れてるとか何とか・・・

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