コスパ、タイパの次は「メンパ」?

コスパ(コストパフォーマンス=費用対効果)に、タイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)。
ここ数年ですっかりおなじみになった言葉です。
できるだけ少ないコストで、できるだけ短い時間で、できるだけ大きな成果を出す。仕事でもプライベートでも「効率よく」が求められる場面は増えました。私も日常の中で、どうしても効率について考えるシーンが多々あります。

そんな中で、最近ちょっと気になる言葉があります。
それは「メンパ」ことメンタルパフォーマンス、つまり心の状態や余裕を含めたパフォーマンスを表す言葉です。いうなれば、心の費用対効果でしょうか。
今回は、この「メンパ」について考えてみたいと思います。

実はこれ、本当はGW前後に公開しようと思って、自分のスマホのメモアプリへ下書きを残しておいて、すっかり時期を逸してしまったのです。しかし9月に入って気づきました。そうだ、シルバーウィークっていう長期休暇が控えてるじゃないか、と。

休み明け、なんとな~く仕事が重い。

長期休暇でしっかり休んだ。旅行にも行ったし、好きなこともした。友達とも遊んだし、睡眠もそれなりに取った(と、思う)。
なのに休みが終わって仕事が始まった途端、「……仕事、したくないな」と思ってしまうことってありませんか?
私はあります。
しかも、別に仕事が嫌いなわけじゃないんですよね。普通に朝は定時に仕事を始められるし、布団から起き上がるのが億劫という訳でもない。でも、ちょこっとだけ、感じてしまうんですよね。

休み中は仕事のことなんてすっかり忘れていたのに、PCを開いた瞬間「そういえば、あの件どうなってたっけ?」「げっ、Slack、未読がいっぱい……」「えーと何から対応していけばいいっけ?」と、一気に現実に引き戻される、あの感じです。

でもこれは「怠け」ではなく、モードの切り替えなのかもしれないです。

休みの間は、仕事から離れている。頭の中にあったタスクや締切、人とのやり取りからも、いったん距離を置いている。
そこから突然「はい、今日から通常運転でいくよ、レッツゴー!!」と言われても、そう簡単には切り替わりません。
特にエンジニアの仕事は、PCを開けばすぐに大量の情報が飛び込んできます。
Slack。メール。チケット。GitHub。カレンダー通知。
……多い、多い。
休み明けの朝にこれを一気に見てしまうと、それだけでメンタルのメモリをかなり消費している気がします。そこに休み明けにありがちな問い合わせ対応やら、トラブル対応などが加わると、どれから手を付けたものかと、一瞬気が遠くなります。
しかし、こういった効率を考えることって、プライベートにまでは適用したくないなって思ってしまいます。

タイパを意識するほど、「何もしない」が難しくなる

仕事では「効率化」が大切です。
同じ作業なら早く終わらせたい。自動化できるなら自動化したいし、不要な会議は減らしたい。
これはエンジニアとして、とても自然な感覚だと思います。でも、その延長でプライベートまで「効率よく過ごそう」とすると、ちょっと疲れてしまうことがあります。
移動中は動画を見る。待ち時間にはニュースを見る。寝る前には勉強する。休日には資格の勉強や技術記事のキャッチアップ。
「せっかくの時間なんだから、何か有意義なことをしよう」……なんて思ってしまうことって、ありませか?
でも、ずっと何かをインプットしていたら、脳にとっては休日も勤務中もあまり変わらないのかもしれません。
休むことまで効率化しなくてもいいのではないかなぁ。最近、そんなふうに思います。
勿論、休日だからこそ勉強するか~! 楽しく頑張るぞ! という前向きな姿勢は歓迎すべきことでしょう。でも休みだから勉強しなきゃいけない、という義務感からのスタートは、心をすり減らす要素になるのでは、と感じ始めました。

エンジニアにも「CPU使用率」があるとしたら

無理やりですが、パソコンを使うエンジニアっぽい比喩でもしてみましょうか。
PCのCPU使用率が100%の状態で、さらに重い処理を実行したらどうなるでしょう。
当然、処理は遅くなるし、場合によってはフリーズします。
人間も、たぶん似ています。
タスクそのものだけではなく、「返信しなきゃ」「忘れないようにしなきゃ」「あれも確認しなきゃダメだった~」「次の会議までにこれを終わらせなきゃ」という見えない処理が、頭の中でずっと走っている。むしろ並走しているのが常に近い気がします。

そんな状態では、いくら「もっと効率よく!」と言われても、なかなか性能は上がりません。
むしろ必要なのは、処理を減らすこと。
そして、ちゃんと自分自身の中で、しっかりとリソースを回復させること。これが「メンパ」を考えるということなのかもしれません。

「今日は70%」でも、別にいいかな

仕事をしていると「今日は集中できないな」という日があります。休み明けなら、なおさらです。
そんな日に「もっと集中しなきゃ」「生産性を上げなきゃ」と自分を追い込むより「今日は70%くらいで動く日」と決めて、できる仕事から片付けていく。
もしかすると、そのほうが結果的には早く通常運転に戻れるかもしれません。
いつでも100%で走る必要はないんですよね。

コスパ、タイパ、そしてメンパ

コスパは、お金の使い方。
タイパは、時間の使い方。
そしてメンパは、自分の心の余力をどう使うか。
そんなふうに考えると、意外と分かりやすい気がします。
効率を上げることばかり考えるのではなく「今の自分は、ちゃんと力を出せる状態かな?」と確認する。それも、働き続けるための大切なスキルなのではないでしょうか。

長い休みのあとに仕事へ戻ると、どうしても「早くいつものペースに戻らなきゃ」と思ってしまいます。でも、人間はPCみたいに再起動ボタンを押せば元通り、とはいきません。

休みの日まで、無理やり頑張らなくていいよね。休みの後も、午前中はちょっとエンジンのかかりが鈍くても、そんな自分を怒ることなく、おおらかに許容してあげましょうよ。

まずはPCを開いて、今日やることをひとつ確認して、ひとつ終わったら、またひとつ。
そうやって少しずつ、仕事モードに戻っていくーーと考えると、ちょこっとだけ気持ちが楽になりませんか?

「効率よく働く」ためには、まず「良い状態で働ける自分」をつくる。
長期休暇が控える今、そんな「メンパ」について、少しだけ意識してみては如何でしょうか。
そして「なんかちょっとしんどいかも」って感じた時に、この記事を思い出してもらえたら嬉しいです。

 

(なお私は、シルバーウィークは1泊旅行、飲み会、バスケ観戦……と遊び歩いて、連休最終日は自宅でだらっと怠惰に寝て過ごす予定です)

 

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