初めまして。ジャンクハードとオンプレサーバ、ストレージが大好きなGriと言います。
回線引き込みと電力増強がし易いと言う理由から改築、増築OKな大家さんを
探し、小さいながら一軒家を借りています。
家にはラックマウントサーバやタワーサバ、自作マシン等があります。
現在従量電灯Bで電力契約中。
以後お見知りおきをば。
さて今回は表題にもあるとおり、DELL H700と言う型落ち品のエンタープライズ用
SAS/SATA RAIDカードのベンチマーク検証をメインとして記載していきたいと思います。
最近ヤフオクで幸運にもDELL H700 メモリ1GBを1500円と言う破格で手に入れました。
相場は7000円~
このカード、メモリが通常512MBなのですが、
・RAIDカード上のメモリを1GB以上にする事
・DELL認定のSSDを用意する事
上記2条件を満たす事によってSSD(最大512GB)とRAIDを掛け合わせたハイブリッドRAID作れるようになります。
またSSDはRAID0にすることによって複数のSSDを束ねて一つのcachecade ( 高速キャッシュ ) にする事ができます。
※ cachecade自体はRAID0以外のモードはない。HDDはRAID0,1,2,5,6,10が選べる。
似たものとしては下記があります。
いずれもHDD1つに対してSSD1つと言う制限があります。
・ハイブリッドHDD(SSHD)
SSDのキャッシュ部分が少ないので大容量連続書き込みには不向き
・IRST
最大64GBまでSSDをキャッシュとして使えるが、Cドライブのみ。
対応マザーボードが必要。
・StoreMI
Cドライブに限らずSSDをキャッシュとして使えるが、最大256GBまで。
別途オプションで1TBまで出来るとの話も・・・。
対応マザーボードが必要。
・HyperDuo
sata拡張カードとしてSSDとHDDを組み合わせる事により
ハイブリッドHDDが行える。
キャッシュとしてのSSDサイズ制限は無く、Cドライブ以外にも
対応可能。
但し性能面ではこの4つの中で一番劣る。
DELL H700 メモリ1GB cachecadeの使用用途としては下記のような例にピッタリです。
・SSD程速度がなくても良いから高速で冗長化された大容量なHDDドライブが欲しい。
・ESXiをオールフラッシュやFreeNASのZFS 10Gbe経由にする程のコストは無いが、体感速度を上げたい
DELL H700のcachecadeの説明(タイトルにH700は含まれませんが、本文に記載があります)
Dell PERC H710、H710P、H810 RAIDコントローラにおけるCacheCade仮想ディスクの設定および管理
このRAIDカード、cachecadeで構成するといい感じにパフォーマンスアップするのではと前々から目をつけていたのですが、
最大の文言、「CacheCadeにより、デル認定のエンタープライズSSDを追加してPERC RAIDコントローラキャッシュを拡張することにより、ホストベースのRAID環境にあるデータベースタイプのアプリケーションプロファイルに対して、費用効果の高いパフォーマンススケーリングを実現します。」
デル認定・・・
では、このデル認定のエンタープライズSSD一覧がどこかにあるか?と言いますと調べてみても出てきません。
DELLが出荷時に用意したSSDという事でしょうか。
エンタープライズSSDということもあり、普通のSSDでは動作しなさそう。
上記の理由と値段の高さから購入を躊躇っていましたが、ヤフオクで1500円で落札できた事と
Intel 520シリーズSSDで構築可能と言う書き込みを
海外のフォーラムで発見した事により、購入・性能テストに踏み切りました。
前置きが長くなりましたが、早速ベンチを取っていきたいと思います。
用意したもの
・PC
・SSD Intel 520 ( 120GB4つ、240GB2つ、480GB1つ )
・HDD 2TBx3 ( RAID5用 )
・DELL H700 1GB
・SFF8087 to sata変換ケーブル x2 = 8sata接続可能
下準備 H700、最新版firmwareの更新
https://www.dell.com/support/home/jp/ja/jpdhs1/Drivers/DriversDetails?driverId=9FVJ2
SAS-RAID_Firmware_9FVJ2_WN64_12.10.7-0001_A13.EXEをDLし、WindowsマシンにH700を装着して
更新。
運用ではRAID6+CacheCade ( Intel 520 240GBx2 raid0 ) にしていますが、今回はテスト環境余剰があまり無かったのでRAID5+CacheCadeの構成でベンチマークを検証しています。
環境:ESXi6.0上のWindows10 ProにてCrystalDiskMarkで計測、H700はwritebackモードを使用。
では早速ベンチマークを取っていきましょう。
クリックで画像拡大表示
※1 偶然の発見
一般のSSDでもcachecadeが組めることがわかりました。
実はこちらの話題のほうが自分的にはこの記事のハイライトになります。
最後のベンチマークは
PLEXTOR PX-256M5P 2つ
PLEXTOR PX-0256M5S
SanDick SDSSDHP-256G
の4つでCacheCadeを作成した時の数値になります。
少し驚きましたが、違う製品の混合でもうまく動作しました。
どうやらサーバ用コントローラーが載っているSSDであれば使用できるのかもしれません。
結果的にですが、なんだ、態々Intel520シリーズ買わなくても良かったじゃん。
手持ちのSSDで動作確認した結果、H700で認識したSSDはCacheCadeが組めました。
認識・CacheCade動作しなかったSSD
Crucial M550
認識・CacheCadeとして動作したSSD
PLEXTOR PX-256M5P
PLEXTOR PX-0256M5S
SanDick SDSSDHP-256G
手持ちの256GBや240GBのSSDを持て余している方には朗報ですね。
結果高速なSSD1つでCacheCadeを組むのがよさそうですね。
SSD4つで組んでもベンチマーク上は変わり有りません。
加えて運用面で、停止が許されない冗長構成だと1つのSSD(Intel DC等高耐久製品)で組んだ方が
よいと言うことになります。
SSDを複数構成でCacheCadeを行った場合、どれか一つでもエラーが出てしまったら
CacheCade機能による恩恵は失われます。勿論writebackモードで行っていた場合、
書込中のデータは喪失します。
書込済みのHDDRAIDのデータは喪失しませんが。
なお、再起動時にCacheCadeを再構築すれば、問題ありません。
総括、コスパ・性能面でもCacheCadeはSSD1つ構成で十分。
耐久性面も考慮に入れるとIntel 520 480GBが安いSSDの中では鉄板かも。
これを機会に自宅の本番運用機でもRAID6+HS+CacheCade480GB一つ構成にしようかと思っています。